なぜ予防が必要か
歯科医院は治療では無く、予防する場所へ
歯科医院といえば、「虫歯や歯周病になったら治療してもらう場所」というのが、かつての常識でした。しかしそれでは、悪くなったら削り、また悪くなったら……という悪循環を招き、最終的に歯を失ってしまうことになるでしょう。そのような時代背景を受け、予防先進国である欧米諸国をならい、近年では歯医者が「虫歯や歯周病にならないように予防する場所」へと世界的に変化しつつあります。
しかし、日本では定期受診の必要性を感じている者へ定期受診に期待することについての質問に対し、自由回答を集計し、頻出するキーワードを類似するものごとにグループ分けしたところ、最も多か ったのは「虫歯」に関するコメントでした。
厚生労働科学研究費補助金 (地域医療基盤開発推進研究事業研究事業) 分担研究報告書
インターネットリサーチによる歯科定期受診行動に関わる要因についての調査
価値観を変えなければ、歯の損失を防ぐことはできません
日本では、虫歯が悪化しないと歯医者に行かない人が多くいます。
しかし、アメリカ・スウェーデン などの先進諸国は日本とは異なり、歯科受診の中心が虫歯の治療でなく、検診(予防)なのです。予防の意識が高い国では、歯が痛くなくても歯医者に行きます。これによって最終的にかかる治療費も安くなり、一生涯 自分の歯で食事をすることが出来るのです。
▼国による歯の残存率
上段のグループになればなるほど予防中心、下段になればなるほど治療中心です。
1グループ | 既に80歳で20本以上達成している国 | スウェーデン デンマーク フィンランド |
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2グループ | 現在70歳程度で、15本以上残存している国 | アメリカ オーストラリア オランダ |
3グループ | 現在70歳程度で、 10~15本残存している国 |
タイ フランス イギリス |
4グループ | ①現在70歳程度で、10本以下の国 | イタリア ドイツ 中国 |
②10本以上残存しても、 60歳を境に加齢につれて極端に減少する国 |
日本 | |
5グループ | 平均寿命が上がるにつれて 残存歯が減少するであろう国 |
インドネシア カンボジア |
虫歯は放っておくと痛みを生じます。経験された方は堪え難い、一刻も早く解放されたい痛みだった。と表現されます。そして歯科医院に行くと,虫歯の部分を削って、もっと虫歯が進行している場合は、神経を除去して。削って失った部分に詰め物や、被せ物をして、「この歯の治療は終了しました。」と歯科医師から言われる訳です。
その後に定期検診の話をされたかも知れませんが、ほとんどの患者さんは、痛みが無くなった、ああよかった、これでしばらく歯医者に来なくてよくなった。と思われるでしょう。仮にその時点で「あなたは病気ですか?どこか悪いところはないですか?」と聞かれれば「この間まで虫歯でしたが、治療が終わって今は絶好調です。」と答えるのかも知れません。
虫歯、歯周病は感染症で慢性の病気です
例えば、虫歯の原因はずっと昔からはっきりとわかっています。
• 宿主(歯の強さ)
• 虫歯菌がいるかいないか
• 環境(お口の中の状態)
• 時間
4つの輪が重なった場合に虫歯になるということです。
どの要素が強いのか弱いのかは個人個人で異なり、 再発させないためには4つの側面からそれぞれの患者さんに合わせたアプローチをして行きます。
噛み合わせや生活習慣の影響
わたしたちは、自分では気づかない様々な癖をもっています。日常生活の中でこの習癖が長期におよぶと口腔環境だけでなく、全身に影響をおよぼすことがあります。このズレや身体のゆがみを軽減する 日常の中で行えるエクスササイズなどもアドバイスをいたしております。
当院では、一人ひとりに合ったプログラムを作成して、効果的な予防を進めています。予防については、お気軽に当院にご相談ください。