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マスクをめぐる出来事  待合室にて

一戸歯科医院では、新型コロナウイルス感染症対策としてのマスクや手指消毒薬が 今年2月過ぎから 以前のようには手にはいりにくくなってきておりました、マスクの値段の相場は世の中では上がる一方で、法外な値段での広告が毎日ファックスで流れてきました。

それでも 古くからのお付き合いの歯科機材やさんにお願いしておきますと、入荷した時に声をかけていただけました。 そういう時に1箱ずつ欲張らずに手に入れてきました。また有難いことに 歯科医師会からもマスクの配布がありました。世の中ではマスクが足りないと大騒ぎでしたが私は不思議と少しも不安になることはありませんでした。

が、しかし マスクは身を守るツールです。大切に使いたいと日々思ってはおりました。

 

新型コロナウイルス感染症が私たちの生活に影響を及ぼして約半年、新しい生活様式を受け入れて生活しようと 皆こころしていると思います。 しかし緊急事態宣言が解除になった5月の終わり頃から 人々の気持ちが緩んできています。特に感染症から身を守るマナーについての認識の違い、取り組みの度合いが人それぞれで、その差がストレスになっているようです。

当院では待合室でマスクを外さず他の患者様とも離れていてくださるようにお願いしております。

ある土曜日。

土曜日は子供の患者さんが来る日で 必ず付き添いの方が一緒ですから待合室は混み合います、密にならないように気をつけなければなりません。

受付の小野澤さんが「先生 患者さんのOくんがマスクをしてくるのを忘れてしまったそうです どうしますか」

困りました。 すぐにはOくんの順番になりませんし待合室は他の患者さんと付き添いの方もすでに居る状態です。

「それじゃあ タオルを貸してあげて 頭の後ろで結んでもらって それで待っていてもらって下さい。」

ということでしばしのちにOくんが診察室に入ってきました 大きな大人用の白いマスクをしています。

「待合室にいた Tくんの付き添いのお父さんが 新しいマスクをOくんにくれました」とのことです。「ぼくもマスクを忘れたことに気づいて、たまたまマスクが駅前で買えたので」とおっしゃっていたそうです。

私は 頭をがーんと殴られたような気がして その後すぐに自分が恥ずかしくなりました。手に入るようになってきたとはいえ、まだまだ高いマスクです。それをよその子供に迷うことなく差し出すことができるTさんに脱帽です。

大事に使おうといっても当医院にはマスクが無かったわけではありません。大切な患者さんにそのうちの1まいをさしあげられなかった。一戸の心の狭さを神様お許しください!!

Tさんには帰りにこっそり 新しいマスクをお返ししましたことを申し上げておきます。

こんなことがあってからも マスクをしないで来院されるかたが多いのには悩まされます。

コロナ感染症時代の待合室でのマナーをきっちりと守ってくださる方と 悪気はなくても同室者に危険が及ぶことを認識しない方、同じで良いのでしょうか。モヤモヤします。

そこで マスクを忘れた方には当医院のマスクをお譲りし、マスク分のお金を寄付していただくというのはどうでしょう?

寄付金は、はたしてどれくらいかはわかりませんが 必ず 私が 新型コロナウイルス感染症に尽力してくれている団体(どこにするかはこれから検索検討予定)に届けます。

さっそく中身の見える容器を用意して準備をしようと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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Saori Ichinohe

一戸 小織

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ナビゲーター 一戸 小織

院長 一戸小織がお届けする日々の徒然。
ちょっぴり気分の上がること、お薦め情報、医療のことなどを綴ります。