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いびきの治療

春眠暁を覚えず

処処啼鳥を聞く

夜来風雨の声

花落つること知る多少 

          孟 浩然 
 

いくら寝ても眠い。そういう季節?でも、一緒に寝ている人からひどいいびきを指摘される。起床時にだるさが残る。日中にどうしても眠くなる。息苦しくなって夜中に何度も目が覚める。こんな覚えがあったら要注意です。
 
睡眠時無呼吸症候群(SAS)かもしれません。
入院して、睡眠中の脳波や血液中の酸素飽和濃度、鼻呼吸の測定などができる終夜睡眠ポリソノグラフィー検査を受け、いびきや無呼吸の程度を確認されることをお勧めします。無呼吸とは1回に10秒以上呼吸が止まることで、それが一晩に30回以上、1時間に5回以上起きることをSASと定義しています。睡眠中の呼吸状態を的確に診断してもらうことが重要です。
 
いびきの発生率は30〜35歳で男性の20%、女性の5%ですが、高齢になると高まり、60歳までに男性の60%、女性の40%が経験すると言われています。運動量が減って脂肪がつき、気道が狭くなることが多いせいです。
 
いびきの原因は,肥満の他に、アレルギー性鼻炎や花粉症、慢性副鼻腔炎、鼻ポリープなどによる鼻づまり、下あごが小さいため、舌の付け根部分の気道が狭まっている等が考えられます。
 
いびきの問題はただうるさいだけではありません。
いびきをかいている時は呼吸が浅く、酸素不足になりがちです。音が大きければ大きいほど、呼吸も大変で換気障害が思いということ。眠りが浅いために朝からだるさが取れなかったり、頭が重かったりと身体トラブルが起きやすくなります。寝ている間に呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、高血圧や心筋梗塞、脳卒中などの原因にもなります。
 
いびきの改善はまず医師による生活指導から。
運動と食事療法による肥満の解消は非常に重要です。睡眠前の深酒にも注意、アルコールは気道周辺の筋肉を弛緩させ、鼻づまりを引き起こしやすいのでいびきをかきやすくなります。
 
SASの程度が中等度より軽いいびきには、舌や下あごを前に出させる特殊なマウスピースを使うと軽減することもあります。この装置は耳鼻咽喉科など医科からの依頼で歯科で制作します。当医院でも制作可能です。SASが中等度以上や重度になると、医科での本格的な治療が必要になってきます。鼻にマスクをして空気を送り込み、狭くなった気道を広げて呼吸を助けるシーパップ療法はすべての患者さんで症状が改善するが、寝ている間に煩わしくなり,続けられない人も多いそうです。
 
いびきが改善すると日中の活動量が上がって減量に成功したり、原因不明とされた高血圧が改善したりします。
いびきは病氣なのですから、医療機関できちんと指導を受けましょう。
 
参考 引用 毎日新聞2015年10月1日夕刊3面

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Saori Ichinohe

一戸 小織

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ナビゲーター 一戸 小織

院長 一戸小織がお届けする日々の徒然。
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